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2022年6月 フィリピン訪問

CANOSSA CAVITEヘルスセンター前にて

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博士課程の庄木さん、修士課程の濵田さん・二野屏さんが、長松先生とともにUnderstanding the Health Issues of Young Mother in Poor Settingsのプログラムに参加するため、フィリピン共和国マニラ市を訪問しました。このプログラムは本学がフィリピン大学を招待して実施されました。
現地到着後、CANOSSA CAVITEヘルスセンターでの家庭訪問見学や、WHO WPRO(世界保健機関 西太平洋地域事務局)を訪れたのち、CANOSSA Health&Social Centerにてフィリピン大学の先生方とともにプログラムに参加しました。このプログラムでは、CANOSSA Health&Social Centerがある、フィリピン最貧困地域と言われるトンド地区の特徴や、ヘルスセンターでの母子保健の取り組みについてお話を聴き、トンド地区の母子保健に関わる問題について参加者でディスカッションした後、トンド地区のスラム街Happy landの地区踏査をしました。
以下、参加者の感想を紹介します。

●滞在中は貧困層への保健活動を行うカノッサヘルスセンターの活動に同行、WHO西太平洋地域事務局の訪問、フィリピン大学看護学部の教員の方々を訪問、スラム街の訪問と、短い日数ながらも大変充実した時間を過ごすことができました。
特にスラム街では衛生状態が悪いと一目で分かる環境のなか、小さな子どもたちが裸足で駆け回りゴミの選別などの仕事をしている姿は衝撃的でした。また、地元の助産師さんからコロナ禍による自宅待機の影響で若年妊娠が増えた、というお話も伺いました。机上の知識やデータとして知っていた情報を自分の目で確かめ、現場に立つ人たちの実感として聞くことでフィリピンが抱える保健に関する問題の複雑さと解決の難しさを実感しました。
そのような厳しい状況であってもカノッサヘルスセンターのような地元密着の保健活動は素晴らしく、背筋が伸びる思いでした。感染症予防で訪問リハビリが難しい人には動画配信を活用する、お金をかけずに自宅でリハビリができるよう身近にあるものを活用するなど、様々な工夫をみることができました。今後、日本の看護技術をフィリピンに伝える、カノッサの活動の良いところを学び、日本に広めていくといった交流と学び合いに繋がることを願っています。(濵田)

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スラム街入り口にて

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家庭訪問見学

●フィリピンは国民皆保険制度があり、診察費はそれほど高くないものの、検査費・薬代が高額のため、貧困地域では十分な治療が受けられず、日本では助かる病気でも死に至ってしまう現状があります。今回のプログラムでは、貧困地域に暮らす住民の健康を支えるセーフティネットワークのような役割を果たしているCANOSSA HEALTH & SOCIAL CENTERを訪問しました。Covid-19の影響により、施設で実施しているDOTS(直接服薬確認療法)や生活習慣病患者プログラム、妊婦健診等が休止され、住民の健康が危惧される状況でした。こうした状況下であっても、地域を支えようとする現地スタッフの姿があり、彼らを支えることが地域の力につながるのだと痛感しました。地域の中核的な人材を発掘し育て支えることは、持続可能な資源を開発していくうえで欠かせない視点です。フィリピン大学との協働プロジェクトの視察を通して、中核的な機関や人材から地域へ流れる循環を生み出し持続させていくためのプロセスの実際を学びました。さらに、WHO西太平洋地域事務局への訪問では、国際機関における看護職の役割や世界的な健康課題等について説明いただき、今後担うべき看護の役割を感じるとともに新たな可能性を感じられる貴重な経験になりました。(二野屏)

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トンド地区にて

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トンド地区にて

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